通販で靴を買う

初めて通販で靴を購入した。3千円ちょっとのスニーカーである。スリッポンで通気性のよい、それでいてふつうにウォーキングにも耐えるシューズを探していたら、めぐりあった。安物買いの銭失いになるかと危惧したが、レビューをみると思いの外高評価が多かったのに背中を押された。明日にも届くという。

考えてみれば便利な時代になったものだ。必要なものがあればネットでみつかるし、自宅にも、プレゼントならその人の家にも送ることができる。百貨店が苦戦するのも頷ける。ネットが普及し始めた頃は、服でもやはり試着したり実際に手に取ってみないとわからないから、という気持ちが強かった。専用スーツを着てオンラインで採寸する仕組みがあることも知っていたが、どうもピンと来なかった。だが、細かい日用品や食品を買うことに慣れると、服や靴を買うことにも抵抗がなくなる。自分の理想のものを求めて店舗から店舗へと歩き回る苦労を考えるだけで疲れるということもある。

購入物が届いて開封したとき、イメージと違うということは発生しやすい。それはそうだ。画面上の2次元の画像しか判断材料がないのだから。テクノロジーが進化して3Dで、実物を見るかのように検討できて、なおかつVRで手触りや重さも確かめられる日が来るのかもしれない。リアルと非リアルの境目がどんどん曖昧になるのだろう。

店舗めぐりは非効率でありつつも、思わぬ出会いをもたらしてくれることもある。そうやってプラプラ本屋を物色していて出会った素敵な本も多い。服でも靴でも、そういう出会いは起こりうる。そういった想定外の出来事を楽しむ余裕も持ちたい。目的もなく、ただぶらぶらとすることも、そんなに悪いことではないように思えてくる。

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