焼肉屋に挑戦

パニック障害っぽくなってから、いろいろな場所に行けなくなっていた。その一つが、千円で食べ放題の焼肉屋だ。人気店なので混雑するし、店内も騒々しいから、また発作が出たらどうしようと思うと、なかなか足が向かなかった。

しかし心療内科の医師から、症状は出るものと思って場数を踏むのがいいと言われてからは、勇気が出てきて、行動範囲もどんどん広げていこうと思うようになった。ウォーキングやジョギングもしているし、睡眠も一応ちゃんと取れているし、ひどいことにはならないだろうという自信も芽生えつつある。

そんなわけでその焼肉屋に行った。早めの時間に行ったので、それほど待たずに入店できた。途中で気分が悪くなったらまずいという考えからご飯の量は半分にしてもらった。そして肉を焼き、食べ始めると、ほぼ大丈夫ではあったが、ときおり発作の前兆が顔を出し、そのたびに不安に襲われるも、こういう症状が出るのは当然だし、こういう場面に慣れていくことがリハビリにもなるのだと思いながら、息をふーっと吐いたりしていたら、落ち着くことができた。結局、ご飯はおかわりしてしまった。

この焼肉店を制覇できて、自分のなかではかなり自信になった。いまでも本格的な発作が出たらどうしようという不安は残る。めまいや不随意運動が出るのはもう慣れてきたが、無理をしたせいで今まで経験したよりももっと強い発作が出るのではないかとも考えてしまう。今後、語学学校やジムにも復帰していきたいと思っている。症状が出るものと初めから心の準備をして、症状が出ても、それに慣れるようにしていくしかない。

こうした曝露療法が逆効果になるケースも多いらしい。以前よりも強い発作が出て、余計に行動範囲が狭まったという体験談をネット上でよくみかける。私の発作は過呼吸になったりしなかったので、それほど強い部類に入らないと思う。それだけに、もっとひどい発作が出たらどうしようと考えてしまうのだ。しかし起こっていないことを不安に思うこの考え方自体、認知が歪んでいるということなのだろう。

一度、あの気が遠くなるような、死んでしまうのではないかという感覚を味わうと、それを忘れるのはかなり難しい。ものすごい、いままで感じた中で最強レベルの恐怖だったから。そういう恐怖に立ち向かいながら、行動範囲を広げていくのはとても大変なことである。それでも、挑戦しなければ変わらない。ずっと閉じこもって生きていくことはできない。自分に勝つという言葉があるが、まさに今それをすべきときであるようだ。

40代。語学(英仏羅希)、格闘技に興味あり。たまにウクレレを弾くが、ハワイアンは弾けない。いつかヨーロッパを3ヶ月かけて旅して回りたい。体調を崩してから禁煙し、コーヒー、甘いものを避けている。最近は鳥を観察するのが好き。バードウォッチングのコミュニティに参加したいような、したくないような。

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メンタルヘルス迷走日記
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