いつも使っているのとは違う新しい食器用洗剤を買ったら、匂いがとても強かった。香料がふんだんに使われているのだろう。なぜ人間が香りを感知するかというと、香りを放つ物質が鼻腔に接触するからである。つまり、香りの成分を吸い込んでいるのだ。これは健康によくない。その香りが花のような香りでも、強すぎると、食器に移る心配がある。食事もまずくなるのではないか。なんでこんなに香りが強い設計にしたのだろう。設計者の神経を疑う。香料メーカーに無理やり購入させられたのだろうか。
そんなわけで、また元の洗剤に戻そうと思う。元の洗剤は、消費量が多いような気がしていた。どんどん減っていくから、別のを試してみたというわけだ。そうしたら、予期せず強すぎる匂いに悩まされた。設計者も、良かれとおもって香料をたくさん配合したのだろうか。水回りの不快な臭いをマスキングする目的もあるかもしれない。しかし、それにも限度というものがある。設計者は、実際に自分の鼻で洗剤の匂いを確認したのだろうか?花粉症か鼻詰まりで、嗅覚が馬鹿になっていたのではないか。そう訝しむくらいの、強烈な匂いなのだ。甘ったるく、いつまでも追いかけてくるような匂いである。
不必要なものをごてごてと追加して、付加価値だと謳うのは、迷惑でしかない。必要な機能だけあればいい。ユーザビリティーを欠いた製品設計には、機能美を求めることもできないだろう。どうしてこのようなことが起きるのか。ニーズに対する現状認識が不足あるいは間違っているのだろうか。ニーズとのミスマッチは、いろいろなところでみられる。