相手の立場に立って考えることは、本当に難しい

日本人が海外に行くと、たいてい中国人か韓国人に間違えられるのだそうだ。逆に、日本に来ている白人や黒人は、どの国の人か、たいていの日本人はみわけられない。みんながみんな英語を話すと思いがちである。でも、実際は、多様なバックグラウンドがある。

それはそうなのだが、実際、街で外人に会ったりすると、十把一絡げに、西洋人として認識してしまう。それぞれの人が自分のルーツや文化に誇りを持っているだろう。宗教だって信奉している可能性が高い。そういうことを知識として持っていても、彼らがステレオタイプ的にとらえられることに対して、困惑するだろうことを、想像することは難しい。というか、不可能ですら思える。

こちらは日本人で、相手の外国人もそれをわかっているものと信じるのは、想像力が欠如している。だが、実際には、そうなってしまいがちである。それは、実際に海外に出て、経験しなければ、本当には理解できないだろう。想像力だけで、相手の立場で物事を考えられる人は、どれだけいるのだろう。もしそういう人がいれば、その人はかなり優秀な人である。

文章を書く際にも、自分の視点だけで書いていると、文章としてはクオリティが低いと思う。逆に、他者の視点でも書かれていると、広がりや深みが出てくるのではないか。しかし、どうすれば自分以外の視点を獲得できるのだろう。やはり外国に行って、異文化と触れ合うことが必要なのかもしれない。語学学習にもそういう効果を期待しているが、いまのところ、新しい視点を獲得するには至っていないようである。

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