急に思い立って、ジョギングをした。スローペースのジョグである。ここのところ、毎朝1時間ウォーキングしているので、だいぶ足腰も強化できたと思ったので、ジョグもスムーズに楽しめるだろうと、たかをくくっていた。
海外出張前には、週1、2回のペースで走る習慣ができつつあったし、一度は45分走ったこともあった。出張中に引いた風邪が長引いて、だいぶブランクが空いたとはいえ、バーピーもしていることだし、問題はないはずだった。
しかし、走り出してすぐ、自分の考えが甘かったことを悟った。5分も経つと、もうしんどくなってきた。息がそこまで切れていたわけではないが、脚が重いし、とにかく、走り続けられないと思った。さすがに5分で終わるのは悔しいので、さらに走り続けたものの、10分でギブアップ。ウォーキングとジョギングは、負荷がこんなにも違うものかと思い知らされた。
だが、だからこそ走ることの効果は絶大だといえる。日常で使うことのない筋肉、心肺を強化できる。着地の衝撃は骨密度の維持にも役立つらしい。長く走ることが苦にならなくなれば、すなわち強靭な身体を手に入れられることになる。肉体だけでなく、精神への効果も、ウォーキングのそれを大きく上回る。ただ、今は恍惚感に近いランナーズハイを体感できるほど走れない。
効果は絶大とはいえ、それだけ走ることは身体に大きな負担をかける。とくにいまは体重が100kg近いので、走り過ぎは禁物である。週1回でも、継続していれば体力も筋肉もつくらしい。いまは走れる時間が短いので、もう少し頻度を増やしてもいいと思う。週2、3回かな。とにかく、定期的に数十分走る習慣を確立するだけで、人生はポジティブな方向に転換できると思う。40代半ばという中途半端な年代は、肉体的にも精神的にも、若い頃のようにはいかず、将来に対しても明るい展望を描けない状況で、つい落ち込みがちになる。生物学的にみても、男性更年期で苦しむ人が多いらしい。だが、走る習慣があれば、少しはその苦境を乗り越えるガッツが湧いてくるのではないかと期待している。
会社ではストレスが凄く、経済的に依存してくる老親を抱え、自分の夢も実現しない状況では、何のための人生かと嘆きたくなり、気力も萎えてしまう。しかし、走ることでそうした暗く重い感情を振捨て、力強く未来に向かって歩んでいけるかもしれない。
元気がなくなるのは、筋肉量の減少とも関連しているのだとしたら、走ることで脚の筋肉を増やすことができる。第二の心臓と言われる、ふくらはぎの筋肉もだ。そもそも人間は、歩いたり走ったりするようにできている。狩りをし、木の実などを採集していた時代のDNAは、現代人にも残っている。だから、動かない生活というのは、DNAに逆らう行為なのであり、種々の不定愁訴が出てくるのであるらしい。とにかく、とくに緑の多い公園などの場所で走ること自体、爽快である。厳しい寒さの冬が到来するまでに、無理のない範囲で、ジョギングを習慣化していこう。