また隣人が夜中に叫んだ。異様な、ほーーーーーーーー、ほーーーーーーーー、ほーーーーーーー、という雄叫びで目が覚めた。生活保護で昼は寝て、夜は元気にゲームして、次の日仕事がある隣人の貴重な睡眠を破壊するというわけだ。もう、ここには住めない。
こっちが被害者なのに、また引越し費用がかかるのは納得できない。やつに負担させるか、それが無理ならやつの親に払わせるかしたいくらいだが、母にそうこぼしたら、そんな反社みたいなことは絶対に言うな、と釘を差された。だから、泣き寝入りするしかないようである。
物件探しの熱はいったん静まっていたが、もうこうなったら、家賃のことは多少は目をつぶって、とにかく安眠できる環境を確保しなければならない。退職後にも食うに困らないよう、できるだけスキルアップしておけば、何とか再就職するなり、個人事業主として生きていけるだろう。今の会社に努め続けたほうが、どう考えても安泰なのだが、仕方ない。
ただ、経済的に安定しようが貧窮しようが、夜はふつうに寝させてくれ。もうそれだけが願いだ。