自炊の呪縛

自炊をはじめてから、できたてのご飯を食べるのが美味しいのと、動画を参考にしながら料理するのが思いの外楽しいのと、節約になることがはっきりわかるので、夢中になっている。

今までは冷蔵庫も炊飯器も調理道具もなかったけど、みんな揃えて、基本的にバナナだけの朝食を除いて、毎食自炊している。ただ、いつも分量を見誤る。肉も1食300グラムは食べたいと思って買い、いざ調理すると、こんなにたくさんいらないな、と思う。野菜もカットするのが面倒なので、すぐ調理できる状態になっている一人分の袋を使ったりするが、これも鍋にでもしない限り、一食分としては多すぎる。まあ、なんだかんだで食べちゃっているけどね。

冷蔵庫が小さいので、基本的に毎食、買い出しにいく。1食500円以内に収めようと考えている。肉が300円とか350円して、野菜が100円くらいである。これでも、以前に比べたらかなりの節約である。外食すると1食1500円以上することも少なくないからね。自炊で一日の食費を1000円に抑えられたら、月3万円くらいになる。もともとエンゲル係数がめちゃくちゃ高い生活をしていたからね、いまのペースで自炊していれば、かなり節約できる。

しかも、前述の通り、1回の買い出しで、量が多くなりがちなので、これを2食にわければ、さらに節約になる。肉は1食150グラムあれば十分だ。野菜の袋も2回にわけて使えばいい。

タバコを吸って、コーヒーも飲んでいたときは、この2つの嗜好品だけで、一日1500円くらい使っていた。タバコは500円以上していたし、コーヒーはタリーズでグランデサイズを一日2杯飲んでいたし、カフェにも毎日行っていたからね。いまはタバコもコーヒーもやらない。カフェには勉強に行っていたのだが、最近は図書館を利用することを覚えたからね。

以前に比べたら、かなり切り詰めている。それでも、悲壮感がないのは、自炊すると、ご飯を美味しく感じるからだろう。炊きたての御飯は、やはり美味しい。おかずも、大したものではないにせよ、自分で料理すると、美味しく感じる。だから金はかからないが、精神的満足度(そしておそらく身体的満足度も)はかなり向上している。

ただ、ずっと自炊するのも、しんどいのかなと思う。レパートリーが限られているし、それなりに時間もかかる。今週は夕食の準備に追われ、古典語の勉強をいっさいしていない。これはこれで問題である。炊飯器のタイマー設定がまだよく飲み込めていない。1時間後に設定すると、ふつうなら1時間後に炊きあがるのだろうが、実際は1時間後に炊き始める。炊き始めから炊きあがるまで、大体45分くらいかかるようだ。だから、それを踏まえて逆算して時間を設定しなければならない。保温機能もついているけど、お米がすぐにカラカラに固まりそうな気がしている。しかし、このタイマーを使いこなさないと、時間を生み出すことも難しい。

おかずも毎回調理する必要はない。惣菜を買ってきてもいいし、缶詰を活用するのも手である。ツナ缶とかサバ缶とかね。魚の切り身も、やすいものもある。ご飯さえ炊けば、味噌汁はインスタントでいいし、おかずも調理の必要がなければ簡単にすませられる。毎回フライパンに油を引いて、具材を切ったり下ごしらえしていると、食事の満足度は上がるが、時間がかかりすぎる。まあ自炊を続けていくうちに、要領がわかってくるだろうけどね。

あとは節約になるのは明白ではあるが、たまには外食を楽しむことも大切である。一回も休まず、自炊を1週間くらい続けているが、いまはその記録が崩れることに軽い恐怖を覚える。惜しむ気持ちといったらいいだろうか。どうも完璧主義すぎるようだ。まあ自炊をしっかりと習慣化する意味では、はじめのうちはもう徹底して体に叩き込んだほうがいいのかもしれないけどね。それで勉強がおろそかになっては、将来の収入増も見込めない。節約効果も、結局は稼ぐ力の低下で相殺されてしまうかもしれないからね。だから、絶対に自炊しなければいけない、と肩肘を張りすぎないようにしよう。気楽に、楽しく、美味しく、節約できれば一番いい。

40代。語学(英仏)をマイペースで勉強(主に読書)していて、たまにウクレレを弾く。バーピーなど自宅でできる自重トレを習慣化している。

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