新人類か、礼儀知らずか

会社の新人が不可解である。別にへいこらしろと言うわけではないが、なにか教えても無視したり、礼を言わない。こっちも良かれと思ってやっているんだけどね。ただ、会社のなかでも、偉い立場にいる人には、しっかり媚を売るようである。まあ人間社会の縮図というか、こんなことを言ったら切りがないが。

自分の若い頃を振り返っても、やっぱり生意気だったんだろうと思う。中年の先輩が使えないやつばかりだとも思っていたからね。そういうものなのかもしれないな。他人に期待しても何もいいことはない。自分にとって価値のあることだけを見ていればいい。

そう自分に言い聞かせはするものの、やはり若手に軽んじられるというのは気分のいいものではない。本来、そういう状況をつくらないように管理するのがリーダーの立場の人間のすることだが、尻尾を振って寄ってくる人間に道理を説いて聞かせるだけの器をもつ人間がどれほどいるだろうか。少なくとも、私はみたことがない。自己中心的で主張の強い人は、群れのなかで好きなように振る舞い、リーダー、たとえば社長などの重職にあるひとも、何も言えない。そういう主張の強いやつはしかし、周りから顰蹙を買い、結局はどこかへ行ってしまう。

そういう事例をたくさんみてきた。結果は火を見るより明らかなのに、自己主張の強い人間を野放しにする企業が多い。まあしかし、それを嘆いても仕方ない。世の中というのは、人間の群れというのは、そういう風に動いているのだから。嫌なのなら、群れを離れなければならない。

狩猟時代に群れから離れるのは、死を意味した。厳しい自然のなかで、非力な人間が生き延びるには、チームワークが必要不可欠だからだ。そのDNAが現代人のなかにも残っているから、帰属意識は本能のようなものだ。だが、群れに所属すること自体が心身を損なうほどにストレスを感じてしまう人もいる。そういう人が、群れから離れても生きていける世界が来るといいが、これも叶わぬ夢物語なのだろう。

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