結局、ギリシャ語と仏語は、学校での学習を続けることにした。ラテン語は「ガリア戦記」の翻訳を合間をみてやっていけばいい。学校に通うということは課題もやらなければいけないので、また忙しくなる。クラスに参加するだけでいいなら、楽なんだけどね。まあしんどい思いをするぶん、成長できると思うし、永遠に通学するわけじゃないからね。もっと年を取ったら、無理が効かなくなる。自分の尻を叩けばまだ動く今のうちに、できることをやっておくと、後々、そこで身につけた力が自分を助けてくれるだろうし。
ギリシャ語は1年間、基本文法を学んだ。体調を崩してクラスを休んだ期間もあったが、次の講読クラスでおさらいできるだろう。基本的にはラテン語の文法に似ているという印象を受けている。細かいところはもちろん違いはあるが、おおまかに言って、構造的にはほぼ同じようにみえる。名詞、形容詞は3性あり、格はラテン語にある奪格がないだけで、あとは同じルールである。動詞は希求法やアオリストなど、ラテン語にない法や時があり、ここは注意が必要である。そして、そもそもギリシャ文字に慣れなければならない。ラテン語の学校での学習も苦難の連続だったが、続けたことでコツを会得できた。ギリシャ語も、同じような道を辿るのだろうが、ラテン語の文法知識が生かせそうなので、それほど混乱しないんじゃないかなとも思う。逆に言えば、予測もしなかった新しい知識を得られる可能性も低いんじゃないかなとも思う。想定内の範囲になるというかね。まあでも、まだ初級文法をやっただけだからさ。これから勉強を続けるうちに、新しい世界がみえてくるだろうし、ラテン語との比較もできるようになって、いまは想像もつかない楽しみが出てくるかもしれない。
フランス語に関しては、停滞している。以前リーディングの自習にテキストとして使っていたアゴタ・クリストフの「悪童日記」は、もうほぼ読める。最近は歴史書やデュマの「モンテ・クリスト伯」を読んでいて、かなり手こずっているが、悪童日記を読むとスラスラ読めるので、基礎的な読解力は落ちていないのだろう。だが、そこから上のレベルにはなかなか行けない。ボキャブラリーも少ないし、文法知識も乏しいからだ。そういう意味では、学校での勉強を継続することは有益である。個人教師のレッスンも再開したいが、なんせ体調が不安定だからな。あれこれ詰め込みすぎるとまたおかしくなるんじゃないかと思うと、なかなか踏み出せない。