本物のフィリピン料理?

英会話でフィリピン人の先生と話す機会が多く、自然とフィリピン料理について興味を持ち、作り方を教えてもらったり、YouTubeで調べたりして、自分なりに料理している。

簡単なのは、アドボ。にんにくと玉ねぎ、肉(鳥ならチキンアドボ、豚ならポークアドボ)を炒め、ローレルの葉、醤油、砂糖(私はみりんで代用)を入れて煮詰めていく。最後のほうで酢を入れる。適宜塩などで味を調節する。作り方はいろいろあるらしいが、まあ大体こんなふうにシンプルな材料と作り方である。醤油のさじ加減が難しくて、時として塩辛くなり過ぎてしまう。スープがある状態で完成とする人もいれば、スープが完全になくなるまで火にかける人もいるらしい。じゃがいもや、ゆで卵を入れても美味しいようだ。簡単につくれるし、ご飯にも合う。

最近、挑戦したのは、シニガンという料理。肉あるいはエビと、インゲンやらトマトやらの野菜でつくるスープである。材料は家庭ごとに違うらしく、とくに野菜はいろいろな種類を使うようである。しかしもっとも特徴的なのは、酸っぱいスープだ。これはタマリンドというフルーツを使うからだが、そのフルーツ自体、日本で売っているのか知らない。カルディという店でタマリンドペーストを売っていたので、それを使ったが、シニガン用の粉末スープなどもあるらしく、フィリピン人もこの粉末をよく使用するようだ。酸っぱい野菜スープといった感じで美味しいのだが、フィリピン人はこれをライスと一緒に食べるらしい。私は、ご飯と合わせるならもっと塩っぱくあってほしい。このへんは文化の違いかもしれない。

しかし、本物のフィリピン料理を食べたことがないので、私がつくった料理がどこまで本物に近いのか、知る由もない。日本にはフィリピン料理屋がない。あるのかもしれないが、今までみたことがない。フィリピン人は日本にたくさん居住していると思うが、なぜフィリピン料理屋がないのか、謎である。とくに東京は、世界中の料理が食べられる。インド料理、フランス料理、メキシコ料理、エジプト料理・・・。フィリピン料理を食べさせてくれる店があれば、ぜひ行って、本当のアドボやシニガンは、どんな味なのかを試してみたい。

それよりも、実際にフィリピンを訪れるほうが早いかもしれない。フィリピン人はとにかくライスが好きで、ファストフードでもチキンなどと一緒にライスを食べるらしい。個人的には、ジョリビーというチェーンのファストフードに行ってみたい。そこではスパゲティも有名らしい。ストリートフードでは、孵化しかけている鳥ごと食べる卵や、豚の脳味噌など、ちょっと抵抗を感じる料理もあるらしいが、それらは試すかどうか、わからない。レチョンという、豚の丸焼きのような料理もあるらしい。これは祭日など特別な日に供される料理のようだ。

異国の食文化を知ることができるのは、言語学習の副産物である。食文化だけではない。フィリピンはやはり貧しいようで、休みなく働き、家族を支えている英会話講師も多い。だが、彼らは人生に悲観しているようにはみえない。明るく、前向きである。衣食住が満たされていながら何かと悲観的になる日本人は、彼らのメンタリティーを学ぶべきかもしれない。
ある講師が言っていたが、台風で洪水が発生し、家が流されたフィリピン人がいたそうだ。当然、家を失ったことは彼らを打ちのめしたが、少し時間が経つと、街中を渦巻く流れに漂う板の上で、賭け事を始めたか、料理を始めたか、ちょっと忘れたが、とにかく、落ち込んでいる時間が短いのだそうだ。体裁ばかり気にしている日本人と、どちらが人生の幸福を味わっているのだろうか。

40代。語学(英仏)をマイペースで勉強(主に読書)していて、たまにウクレレを弾く。バーピーなど自宅でできる自重トレを習慣化している。

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