逃げるが勝ち

ずっと前から会社をやめようと考えていたが、将来の不安からなかなか踏み出せずにいた。なぜやめようかと考えていたかというと、とにかくやっかみがすごいからだ。会議でなにかポジティブな発言をすれば、出世したがっていると陰口を叩かれたりする。舐められやすい性格だから、狡猾な後輩に攻撃され、それに音を上げて上層部に訴えると、嘘つき呼ばわりされる。とにかくみんながみんな、一気呵成に攻撃しようとしてくる。このままでは鬱になると思っていたら、鬱かどうかわからないが、とにかく体調を崩してしまった。

今は小康状態が続いているが、そういう状態であることを会社は知りながらも、不可解な動きをみせている。まだ全容は明らかではないが、もうこのへんで辞めておかないと、本当に命に危険が及ぶかもしれないと思い始めた。どうも上層部は正常な判断ができなくなっているようだ。狡猾な後輩に操られているようである。自分の頭で考えることができない奴らばかりだから、すぐ踊らされてしまうのだ。しかし目の敵である俺が退職したら、この狡猾なやつは次なるターゲットを定め、そいつはまたおかしくなって辞めるということを繰り返すのだろう。そして上層部はいつまで経ってもその事実に気づかない。そんな組織とはおさらばしたほうがいい。

それでも意気地がないから、退職なんてとてもとてもとずるずる居続けたら、それこそもっと体調を崩し、取り返しのつかないことになるかもしれない。そうなる前に、逃げるが勝ちである。世界はいま勤めている会社だけではないし、海外に行けば日本とは違った価値観があるわけで、いまの活動範囲で自分がさんざんな目に遭っているからといって、世界全部がそういう場所ではないということを自分にわからせるためにも、退職を現実的な選択肢として考えるべきである。おそらく、退職するとなれば家族や知人はなんてもったいないことをと驚きもし批判もするだろうが、当の本人にとっては地獄なのだ。下手をしたら、自殺することになるかもしれない。本当に追い込まれたら、そうなる可能性はあると思うからね。

狡猾な後輩に追い出されるようで、納得がいかないし憤りも抑えようがないが、暴力を振るうわけにもいかないし、泣き寝入りするしかない。世の中とはそんなものだ。でも、違う場所に行けば、もっと明るい世界が待っているかもしれない。とくに体調を崩してしまったので、いまは避難することが先決のように思われる。

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