断捨離の一環で、スケボーを売った。スケボーと言っても、ペニーという小さいサイズの板である。簡単に持ち運べて、街中の移動手段としてクールだと思って、数年前に購入した。アメリカに出張したときに見た、ロサンゼルスの大学キャンパスをスケボーで走り抜ける学生、サンタモニカの海沿いの道をスケボーで走る人々の姿に憧れたのだった。
しかし、昨年病気をしてからは、一切乗っていなかった。格闘技のジムへの移動手段に使っていたが、ジムもやめた。今後も、もう乗らないかなと思って、思い切って処分した。
思えば、バックトゥーザフューチャーで、マーフィーがスケボーで通学する姿、2における空を飛ぶスケボーなどの印象も強かった。なんとなく、スケボーには自由を感じる。でも、年齢のせいにするのもどうかと思うが、40半ばで、病気がちの人間が、スケボーに乗るのは、おかしいのかなとも思う。まあ実際はもう一年以上使っていなかったから、断捨離の対象になったのが大きいのだが。
いままで、スケボーは玄関に立てかけていた。それがなくなって、玄関が広く感じられるようになった。あるいは、がらんとした、と言えるかもしれない。引っ越しをする前に、できるだけモノを減らしておきたいという思いもある。変化するためには、捨てるものも出てくる。スケボーに限らず、もう読むこともないだろう本、枯れかけている観葉植物も、断捨離リストに上がっている。新しい人生を踏み出すために、今の自分に不要になったものと別れることも、必要なのだ。