注意力が散漫なのは…

仕事でケアレスミスをすることがある。全体の構成ばかりを気にして、細部にまで意識が行き届かない。森を見て気を見ないというやつだ。しかしその細部を間違えると、たとえば人や地域の名称などは、全体の構成の出来など問題にならなくなり、大きな被害を及ぼす。

こうしたミスを犯すたび、同じ過ちを繰り返さないようにと心に誓うのだが、喉元すぎれば熱さ忘れるで、いつしか気にしなくなる。そして忘れた頃に、また同じミスを繰り返す。必ず個別名称をチェックするという癖をつけるのがいいのだろうけど、興味の対象は全体の構成をいかにうまく、伝わりやすくするかなので、つい細部への気遣いはおろそかになる。でも、その小さな間違えが、せっかく苦心して気づいた全体の調和を台無しにしてしまうのだから、注意深く物事を進めるべきである。

言い訳になるだろうが、しかし、自分の頭はそうはできていない。あくまでも新しいコンセプト、新しい打ち出し方に価値を見出しており、それ以外のことには頭がお留守になる。これは意識して改善する問題ではない気がする。しかし失敗を続けて周りに迷惑をかけ続けるわけにもいかない。だから、全体をつくり、細部は他の人にみてもらう仕事の進め方をするか、あるいは、個別名称のない世界で仕事をするしかない。

書くことについて言えば、ノンフィクションでなくフィクションの領域で仕事をすべきだろう。自ら世界を創造するのであれば、個別名称も自分で決められるから、間違えようがないし、間違えても自分が困るだけである。ただ、これができないから別の世界に行く消去法というのは、もちろん向き不向きもあるだろうが、あまりいいケースではないのではないか。多少の緊張感、責任感は、どんな仕事にも必要だ。自分が楽しむためにやる趣味であれば好きにすればいいが、他者とのつながりのなかで自分を生かしていくなら、ミスは背負い込まなければならない。だから今後も自分の不注意によって傷ついていくのだろう。でも、あまり深刻に考えないことだ、人間だから間違うのだからね。

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