自炊が続けられている。もう20年近く前、まだ若いときにも自炊していた時期があったが、そのときの調味料は醤油と塩コショウのみだった。みりんなんてものは、料理人が使うような、特別な調味料であって、ふつうの料理には必要ないと思っていた。味の素も、塩と何が違うのかわからなかった。無知だったのである。
いまだって、正直、みりんや味の素がどういう味付けに貢献しているのかはわからない。ただ、料理レシピにある通りに、みりんや味の素を使っているだけである。そのおかげかどうか、醤油や塩コショウのみで料理するよりは、深みのある味つけになっているのだろうと思う。コンソメの顆粒も今回は使っている。
それらの調味料のおかげで、以前はカレーと肉野菜炒めと、炊き込みご飯だけがレパートリーだった若い時に比べ、パスタや親子丼、鍋物もできるようになった。これは大きな進歩である。自炊といってもレパートリーが少ないと、飽きてしまって続けるのが難しくなる。いまはYou Tubeやアプリで簡単にレシピ検索ができるので、材料さえ揃えれば簡単に美味しく料理ができる。まさか自分がトマト缶をつかってミートソース風パスタを作るようになるとはね。しかもパスタはワンパンといって、フライパンで具材を炒めた後、その同じフライパンに水を入れて、水がなくなるまで加熱することでパスタを茹でるという、いわゆるワンパンでのつくりかたもあって、楽である。
まだレシピ頼みだし、とにかく時間がかかるが、慣れてくれば、さっと美味しいものをつくれるようになるだろう。それは健康にも、お財布にとっても優しい。自炊をしてからというもの、正直、外食への魅力がかなり下がった。自分でつくって食べたほうが、おいしいからである。しかも、外食の3、4分の一のコストで食べられる。手間はかかるけど、それを楽しめれば、無敵の倹約術である。家賃の低い家に引っ越して固定費を下げるまでの間、徹底的に自炊を身に着け、生活費を下げられるようにしておこう。