ガリア戦記をラテン語で読む

今年の秋から、英語の対訳がついたカエサルの「ガリア戦記」のラテン語を読み始めた。3年くらい学校で初級文法と講読を習ったので、自習に切り替えた。しかし学校でも完璧にできていたわけではなかったので、独学も不明なところに多々ぶつかる。その都度英訳を参照するわけだが、直訳しているわけではなく意訳になっているところが多いので、この指示詞はどれを指しているのか、なぜこの名詞は奪格なのか、など、細かいところまでは知りようがない。

とにかく、読むのに時間がかかる。1時間で2、3行読むというレベルだ。頻出する単語以外は基本的にすべて辞書にあたる。意味だけでなく変格や活用も必要に応じて調べる。そうこうしていると、あっという間に時間が経つ。ガリア戦記は初学者に適しているといわれるが、それでもこの体たらくだ。読了するのに1年では足りないことは確実で、2、3年、下手したら5年くらいかかりそうである。

読み進めるうちに熟練度が増して、読むスピードが上がることはあるだろうが、それでも限界があると思う。とにかく地道に続けていくしかない。ただ、もしガリア戦記を読破できたら、そのときはラテン語を読む力も、相当上がっているはずである。最近でも、仏語でわからない単語があるとき、ラテン語ならこの言葉なんだけどな、と思うことがある。ちなみに英語もそうだが、基本的にあまり辞書は使わない。一方、ラテン語、ギリシャ語は、辞書がないと話にならず、常に辞書を読んでいる感じである。このことから、やはり単語を辞書でいちいち調べることは、ボキャブラリーの強化に効果があることがわかる。英仏は基本的に多読がベースだからね。

とにかく、ラテン語を英語の対訳の助けを借りながら、英語で書かれた辞書を使って読もうとしているのだから、我ながら遠くへ来たものだと感慨深くなる。高校時代は英語テストで赤点を取り、補習クラスに出ていたくらいだったのにね。外国語に自分を浸すほどに面白い変化、成長が起こると信じて、ここまでやってきた。ブレークするーというほどの大きな変革はまだ起こっていないけど、それでも長い間、これだけ語学を勉強してきたことは、ちょっぴり誇りに感じる。

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