英語のブレークスルーはどうして起こったのか

仕事でも英語を使えるようになったし、不思議なのは、昔読んでも全然歯が立たなかった洋書が、今はスラスラ読めるようになったことだ。英語学習というには、あまりにも適当なやり方で、とにかく英語に触れる機会をつくる努力はしてきたものの、ある時点、といってもそれほどはっきりといつ、と言うことはできないが、突然、壁を超えたと感じられる、ポイントがあったと思う。
それは、洋書を読み、英語の動画を視聴し、英会話アプリを頻繁に利用する過程の集積で、達成されたのだろう。やはり、量が大切なのだ。それは間違いのないことだと思う。だが、それでも、別に単語帳を作ったこともないし、英文法をしっかり学んだこともないのに、急にニュースが理解でき、仕事で外国人とコミュニケーションを取ったり、通訳のマネごとみたいなことができるようになったのは、いささか奇妙である。

とにかく英語を使う機会を増やしたかったので、フランス語の勉強を始めたときも、入門クラスは、英語で学ぶという特別コースを取ったし、個人教師も日本語をあまり話せないフランス人に、英語で教えてもらうスタイルを取っていた。

第2外国語をやると、英語も伸びると聞いたことがある。英語学習を長く続けていると、どうしても変な慣れが出てきてしまう。要は、緊張感が低下し、言語に対する熱意も、知らず知らずのうちにしぼむのだ。だが、英語よりも不慣れな外国語に接すると、当然理解するために全神経を集中する。それでもよく理解できず四苦八苦するのだが、その後で英語に戻ると、ほっとする感覚があった。すらすら英語が頭に入ってくるのである。これは、不慣れな言語に接したときは、言語に対する集中力が高まり、その状態で英語に触れる結果、より理解ができるだろうか。

最近では、中国語をフランス語で教える動画をよくみるようにしている。こうしていると、フランス語も少しは上達すると期待している。

今週末はTOEICだ。ここのところ、中国語を始めたこともあって、そして仕事も相変わらずストレスフルな状態が続いていたこともあって、英語にはほとんど時間を割けなかった。だが、第2、第3外国語をやることで英語力も高まるという上の仮説がもし本当なら、英語力も上がっているはずである。つい昨日、外出時に気軽に読めるコンパクトなペーパーバックを探しに書店で洋書を立ち読みしていたら、過去に挑戦したものの全然読みこなせなかったシャーロック・ホームズの本が、ほぼ理解できた。だから、英語力は、他の外国語をやったことによって、多少は伸びたのだと信じたい。

英文法の面では、ラテン語学習が大いに役立っていると思う。ラテン語の先生によると、かつてイギリス人は、英語には文法はないと言っていたらしい。文法といえば、ラテン語と古典ギリシャ語が対象だった。しかし、英語にも文法が必要だという機運がいつしか高まり、範としたのがラテン語でありギリシャ語だった。だから、ラテン語の文法用語と、英文法のそれは、通じるものがある。すなわち、ラテン語文法をやることで、英文法の理解もある程度はできるわけなのだ。それは大いに実感していることである。

結局、何か一つのことが、英語力のブレークスルーにつながったわけではないようである。なんとかして向上させようといろいろ試行錯誤し奮闘した総合的な結果によって、実現できたのだろう。なぜ今のレベルに到達できたのかは、本当にわからない。でも、ある時期を境に、明らかにレベルが上がった。こういうブレークスルーを経験できたことは、英語力の獲得以上に価値がある。なぜなら、その経験は、他の分野にも応用できるから。

40代。語学(英仏)をマイペースで勉強(主に読書)していて、たまにウクレレを弾く。バーピーなど自宅でできる自重トレを習慣化している。

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