病気をして、人間は必ずいつか天国に行くという事実についてよく考えるようになった。生きている間に、やりたいことをやったほうがいい。日本にいると、正社員であるなら、その仕事は絶対に手放してはいけないと言う。誰に聞いても、100人が100人、そう答えると思う。安定のためにはそれが一番の方策だからというのがその理由だ。
確かにサラリーマンはいろいろな面で守られている。だから不合理なこと、屈辱的なことには、心身の健康を壊してでも耐えるべきだという考えがある。社会がそう思わせているというのもあるし、クソ真面目な日本人の気質というのもあるのだろう。
安定は誰だって欲しい。でも、そういう日本の価値観とは別の価値観がある国を経験したら、考えも変わるかもしれない。旅行以外で日本から出たことがないので、なんともいえない。でも死ぬ前に、その経験をしたいと思う。そしてその経験をするなら、早ければ早いほうがいい。今回みたいに病気になってしまって海外に行けなくなるということも起こりうる。もう飛行機には乗れないかもしれないしね。だから、こうなる前に行くべきだった。でも、正社員の職を捨ててまで行くなんて、という考えに縛られて動けなかった。
今日もし死ぬ運命にあったら、それはもう受け入れるしかない。海外で過ごすことができなかったのは悔やまれるけど、まあ自分なりにがんばったとは思うから、満足できるんじゃないかな。点数をつけるなら70点はあげられるかな。運はよくなかったと思うけど、それだけに努力を継続してこられたからね。やり遂げたことは少ないが、努力の面で言えばかなり頑張ったから、もう十分かなとも思う。
今は風邪も引いて、満身創痍である。風邪が治ってもパニック的な、身体的症状は残るだろう。それと付き合いながら、余生をどう生きるか。自分の家族をつくることはもうないのかな。彼女くらいは欲しいけどな。いまだに会社の人間関係に巻き込まれて嫌な思いをする日々を送っているのが情けない。こういう人生を送らなくてすむようにと、努力をしてきたはずなんだけど、会社を離れたら何もできないんだからね。まあでもまだ答えが出たわけではない。四半世紀も努力をしてきたのだ、あと一歩で壁を敗れるかもしれない。ただ地道に努力を重ねていくしかない。