ペリカンのスーベーレーンという万年筆を長年愛用している。手書きで文字を書く機会が多く、ボールペンだと手首や肘に負担がかかるということで、いろいろな万年筆を試した。モンブランを買ったこともあるし、比較的手頃な万年筆も試した。最終的に、スーベーレーンに落ち着いた。緑色である。
10年以上使用してきて、一度、修理に出したことがある。どこが故障したか忘れたが、それ以外は荒っぽく使っても問題なかった。最近になって、書いていると、万年筆と接する中指にインクがつくようになった。ティッシュなどで軸やキャップの内側を掃除しても、漏れている様子はない。だが、書くたびに右手中指にインクがつくという状況が続いていた。
軸の接合部がゆるくなり、インクが漏れているのだと見当をつけた。そして、ティッシュで拭いてもインクはつかないのに、手で持ってしばらく書いているとインクがつくので、指の熱によって接合部がゆるくなっているのだと推測した。いずれにせよ、毎回指が汚れるのは不快である。修理に出すにしても、かなりの金額になると思われ、それなら安価な万年筆を買うかという気になった。
どうやら無印良品も万年筆を売っているらしい。安価でデザインもシンプルだが、カートリッジ式であった。別のブランドのコンバーターを使えば吸入式として使えるようである。ちなみにスーベーレーンは吸入式で、インクが切れたら、ペン先をインク壺の中に浸し、ペンのお尻をぐるぐる回してインクを吸い上げるのである。カートリッジ式は便利かもしれないが、吸入式に慣れているので、新しく買う万年筆もそうしたいという思いがある。同じく、パイロットのカクノという製品も安価で評判がいいようである。こちらも互換できるコンバーターが売っているらしい。
アマゾンでも買えるし、店舗で買ってもいい。そう心を決めてから、ふとスーベーレーンでしばらく書いていたら、なんとインクが指につかないではないか。ぐっと気候が寒くなり、指の温度も下がったせいでインクが出なくなったのだろうが、まるで私の心を見透かして、他の万年筆に浮気をしてほしくないという意思表示をされたような気がした。もちろん、スーベーレーンが問題なく使えるのなら、使い続けたい。長い腐れ縁というか相棒のような存在なのでね。でも、インクが切れたときに、バッファとして安価でモノのいい万年筆のスペアを持っておくのも悪くないと思う。それくらいなら、スーベーレーンも嫉妬しないのでは。。。